年の瀬を前に、ネットやニュースで「帰省ブルー」という言葉を目にするようになりました。
「長期休みに夫の実家に帰省するのが憂鬱な女性」の状態を表した言葉です。
「最近になって帰省ブルーの妻が急増している」というような報じられ方でしたが本当にそうでしょうか? こうした問題ははるか昔からあるように思います。
今年はとくにコロナ禍のせいで複雑化しており「帰りたくない」「帰ってきてほしくない」という声も。悩ましい帰省問題についてまとめました。
妻の苦悩
実に6割以上の女性が「夫の実家に行くのがストレス」と答えるそうです。
それ以外の回答をした4割も「そもそも行かない」「義理の両親がいない」という人を含むため
かなりの割合で「負担を感じている嫁」が存在しているのが分かりますね。
「夫の家で気を遣うのが本当につらい」
「帰省すると召使のようにこき使われる」
「義父母にいじめられるのに、夫は何もしてくれない」・・・
結婚したとはいえ相手は他人。どんなに良い姑であっても気づまりを感じることはありますよね。
「お金も時間もかけて気を使いに行くようなもの」と考えると理不尽さを感じるのも理解ができます。
姑の反論
もちろん、迎える姑のほうにもストレスはかかっているんです。
「帰省するのはいいけど、手伝いもせずにいつももてなされてるだけ」
「息子夫婦や孫たちのお泊り準備をするのも大変」
「お嫁さんとは仲良くないから、正直わが子と孫だけ来てくれればいい」
…など、お嫁さんに対して気疲れしている人や、用意を負担に思っている意見も多く見られました。
「妻ならば夫と一緒に帰ってくるのが”普通”」「嫁に来たんだから旦那の家のことを手伝うのが”当たり前”」「短期間ぐらい我慢できないなんて”ワガママ”」という、妻の態度を責める考えの人もいました。
夫の無理解
こうした状況から浮き彫りになるのは「夫の実家には帰らなくてはならない」という習慣に縛られた日本女性の姿と「夫の無理解」です。
いくら説明しても「俺の実家が嫌だというのか」「うちの母親がイビリなんてするわけない」
「どうして仲良くできないんだ」「気なんて使わなくてもいいのに考えすぎ」と怒られたり流されたりする…
帰省ブルーにまつわるネットの声では、そんな妻の夫に対する怨嗟が渦巻いていました。
問題の本質は、ここではないのでしょうか。
夫にとっては気の置けない優しい母親ですから、「妻にとっては気を遣う他者である」という事が理解できず、実家を否定されたような気持になるのでしょう。つらさを訴えてもわかってもらえず諫められて、「夫だけでも味方でいてくれたら我慢できるのに…」と落胆する妻の声もありました。
「わかってもらうのは無理だから私が耐えればいいんだ」というあきらめを散見する一方で
「良い嫁ぶるのはやめて【行きません】ときっぱり言った」と宣言する女性も増えています。
共働き・男女平等と掲げられてはいるものの、いまだに「女は旦那の家に入るもの」という考えが根深く残っている日本の社会。
せめて、パートナーにだけはその息苦しさを理解してもらいたいものですよね。
時代とともに変化する家族のカタチ |
みなさんはこの問題をどうとらえますか?「義理の両親と仲良くできないなんてダメだ」と考えるか 「彼と結婚したけど、彼の家族とは他人だから自分の好きなようにさせてもらいたい」と考えるか…。 なんにせよ、せっかくの連休をストレスを抱えたまま過ごすのもつらいことですね。今年はコロナのせいでさらに問題が複雑化しています。「気にせず帰ろう」「今はやめよう」と争っている夫婦も多いのでは? お互いにとって心地よい距離が保てるように、極力否定的な言葉は使わずに、パートナーと帰省のあり方を話し合ってみてください。 |